特急すぺーしあ

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[tex:1 + 1 = 2]

集積点の諸定義が同値であることを確かめた

この記事では私が持っている3冊の本の集積点の定義がすべて同等であることを確かめていきます。

 (1) 解析概論(高木)

一つの集合Sに関して或る点Aが集積点であるとは、点Aにどれほど近いところにもSに属する点が\\無数にあることをさしていう。

 

(2) 位相への30講(志賀)

Mを平面(または直線)の部分集合とする。Mの中の相異なる点からなる点列P_1,P_2,\cdots,P_n,\cdotsが、\\n \Rightarrow \inftyのとき1点Pに近づくとき、PをMの集積点という。

 

(3) 集合・位相入門(松坂)

 (S, \mathfrak{D})を1つの位相空間とし、Sと略記する。Sの点xがM - \{x\}の触点であるとき、すなわち

$$x \in \overline{M - \{x\}}$$

となるとき、xはMの集積点であるという。

 

以下ではn次元ユークリッド空間についてのみ考えます。

また、記号を統一したいので、M\mathbb{R}^nの部分集合、a\mathbb{R}^nの1点、d(a, x)\mathbb{R}^n上の距離関数とします。

 

(1) \Rightarrow (2)

任意に正数\varepsilonを与え、\{x \in M \ | \ d(a, x) \lt \varepsilon \}が無限集合であるものとする。いま、以下の操作を行う。

a_1 \in \{x \in M \ | \ d(a, x) \lt 1\}を任意にとる。

a_2 \in \{x \in M \ | \ d(a, x) \lt \dfrac{1}{2}\}を任意にとる。ただし、a_1 \neq a_2

a_3 \in \{x \in M \ | \ d(a, x) \lt \dfrac{1}{3}\}を任意にとる。ただし、a_1 \neq a_3, a_2 \neq a_3

...

このとき、\varepsilonに対して番号n_0が存在して、

$$d(a, a_{n_0}) \lt \varepsilon$$

が成り立つ。すなわちMの相異なる点列(a_n)_{n \in \mathbb{N}}aに収束する。これで(2)が示された。

 

(2) \Rightarrow (1)

定義より明らか。

 

以下では2つの事実 : 

aを中心とした半径\varepsilonの球体B(a;\varepsilon)の全体の集合は基本近傍系を成す*1

V^{*}(a)aの基本近傍系とするとき、aMの触点であるためには、すべてのU \in V^{*}(a)に対して、U \cap M \neq \phiが成り立つことが必要十分*2

を用いる。

 

(3) \Rightarrow (2)

任意に正数\varepsilonを与え、\varepsilon_1 = 1とする。いま、以下の操作を考える。

a_1 \in B(a;\varepsilon_1) \cap (M - \{a\})を任意にとる。

\varepsilon_2 \lt \min\{d(a, a_1), \dfrac{1}{2}\}であるように正数\varepsilon_2をとる。

a_2 \in B(a;\varepsilon_2) \cap (M - \{a\})を任意にとる。

\varepsilon_3 \lt \min\{d(a, a_2), \dfrac{1}{3}\}であるように正数\varepsilon_3をとる。

...

こうすることでMの相異なる点列(a_n)_{n \in \mathbb{N}}が得られる。冒頭で与えた\varepsilonに対して、十分大きな番号n_0を選んで、

$$d(a, a_{n_0}) \lt \varepsilon$$

が成り立つから、この点列はaに収束する。

 

(2) \Rightarrow (3)

仮定より、aに収束するMの相異なる点列(a_n)_{n \in N}が存在する。すなわち、任意の正数\varepsilonに対して、番号n_0が存在して、

$$d(a, a_{n_0}) \lt \varepsilon$$

が成り立つ。すなわち、a_{n_0} \in B(a;\varepsilon) \cap (M - \{a\})*3。これで(3)が示された。

*1:集合・位相入門 第4章 §3 問題6

*2:集合・位相入門 第4章 §3 問題5(c)

*3:定義上、a_{n_0} = aである場合もあり得るので、その時はn_0より大きな番号を取り直せばよい。