特急すぺーしあ

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『新・数学の学び方』を読んだ

『新・数学の学び方』という本を読みました。今一度数学をどう学ぶべきかを考えたいと思い、手に取った次第です。

本記事の構成は、

・ひとまとまりの文章として感銘を受けた箇所の引用と振り返り

をいくつか。最後に

・今後の学び方のまとめ

となっています。

 この本は複数の執筆者によるエッセイ集です。数学の学び方、という一つのテーマについてそれぞれの観点から考えが述べられています。また、本書では具体的な数学の議論を展開している部分も多々あります。今回の一週目*1ではそういった部分は流し読み程度にしています。というのも、本書に期待したのは、本はこう読むと良い、とか、復習は大事よ、とか心構えに近い部分だったためです。

 

大数学者でさえ忘れる

広く応用される基本的な定理の場合、はじめは証明の論証を一歩一歩辿ってよくわかっていても、定理はしばしば使うからよく憶えているが、証明の方はそのうちに忘れてしまうことがよくある。 しかし証明を忘れたために定理がわからなくなるということはなく、むしろ繰り返し応用しているうちに定理そのものはますますよくわかってくるようである。

(数学に王道なし 小平邦彦)

 小平邦彦さんという方は日本人初のフィールズ賞受賞者です。そんな大数学者でさえ、忘れるということに驚きました。大変おこがましいですが少し身近な存在に感じてしまいます。きっと自分が必死に○○の定理を理解しても、近いうちに忘れてしまうことは明白です。この文章を読んで固く決めたことは、

・まずは100%厳密に理解する

・証明の概略やキーポイントを理解して、何度でも思い出せるようにする

・繰り返し応用することで定理そのものへの理解を深める

です。以下は少し脱線しますが、本節で小平先生は「証明を理解していない定理も証明に用いる」と述べられていました。これは少し意外に感じました。このあたりは個々の美学なんでしょうか。

 

 

見抜いてやり抜く

感動した部分を全文引用するのは少しためらわれたので「論理の歌が聞こえますか(深谷賢治)」から一部を意訳しますと、

細かい議論を長々とするためには忍耐はもちろん、こうすればうまくいくと見抜くことが大切。さらに、見抜いた上で正しいを確証するために長いルーチンワークを最後までやり抜く。

私は例えばよくインテジャーズを教科書としています。いつも証明を読みつつ、時には書き写して理解しようとしています。そして無事、証明終了まで納得した上で読み切ることができれば(大変愚かしくも!)理解できたと定義しています。では私はこの時点で書き手と同じ理解度に到達したのでしょうか。その証明に使われた手法を別の問題にも適用できるでしょうか。また特殊化あるいは一般化できるでしょうか。できないと思います。数をこなす、自分で証明を構成するなどのプロセスを繰り返し経ることでようやく理解できてくるのではないでしょうか。とにかく私には演習量が足りないと感じます。

最後に、この一文だけ同節からそのまま引用します。

忍耐を支えるのは、自分のこうやればできるはずだという感性に対して築きあげた自信なのです。

(論理の歌が聞こえますか 深谷賢治)

 

 

数学用のワーキング・スペース

暗記をすすめるもう一つの理由は、頭の中に数学用のワーキング・スペースを作るためである。将来、数学研究を行なうときには、たくさんの数学的命題の鎖を構築してゆかなければならないが、鎖と鎖をつなぐ仕事ができるのはそのとき頭の中に入っている命題に限られる。

これはきっと研究に限らず当てはめられますよね。基礎の先の分野を理解するとき、あるいは演習をするとき。用語自体をしっかり押さえていなければ、また定義に返って確認が必要になります。これも大事なことではありますが、空で出てくるに越したことはないように思います。

ちなみにこの文章を読んで「確かに!」と思った私は、位相の定義について空で書き出してみました。間違ってました。

 

今後数学を学ぶ上で大切にしたいこと

・暗記する

・イメージをもつ

・翻訳する

・厳密に理解する

・再構成する

・どんな時に成り立つか、どんな時に成り立たないか

・別証明も理解する、あるいは考える

・応用する

これらについて実践していくなかで個別に記事を書きたいです。

ここにまとめるだけでは何の意味もないですよね。例えば暗記するにしても何を?どこまで?が大事ですよね。本一冊暗記するのは非現実的ですしね。

 

結びに自戒を込めて・・・

「正しいことが確認できる」と「理解する」は違う!

*1:二週目があるかは定かではありませんが。