特急すぺーしあ

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数論の3つの真珠を読む【その3】

数論の3つの真珠を読み終えました。

3つ目の真珠、ウェアリングの問題を理解できたのです。

以下では簡単に数論の3つの真珠についていくつかの観点で感想を書いていきます。

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予備知識

関連記事にも書いたのですが、この本を読むうえで必要な知識はほとんどありません。

強いてあげるならば、四則演算ができてある程度漢字が読めることではないでしょうか。漢字が読めなくともスマートフォンには手書き入力という機能がありますので、それを使って読み仮名を調べることもできますね。

誤植

わずかにありました。誤植とは言わないような気もしますが、式番号の抜けも確認しました。しかし、それらはすべて全体の流れから容易に気付いて修正できる程度のものと思います。数学書に誤植は付き物です。自分で気づいて都度修正しながら読んだ方がむしろ力になる気がします。

難易度

決して易しくありません。ある一行が分からなくてしばらく進まなくなることもあるかもしれません。しかし、複雑な意味が込められた(=導出が困難と思われる)箇所については訳者の注釈が加えられています。そのため時間をかければ誰でも必ず読み通せるものと思います。参考ですが、私は大学で数学を学んだわけでもありませんし、決して優秀な学生ではありませんでしたが、結果的に2週間経たずして読み終えることができました。余談ですが個人的には、ファン・デル・ヴェルデンの定理、ウェアリングの問題、マンの定理の順に難しいと感じました。

文章

後述します。また、原著がロシア語のため一部日本語が「おや?」と思う箇所がありますが、読むうえで何ら不都合はありません。

解説

3つの真珠に対応した3章構成になっており、それぞれの定理に関連した数学のトピックに触れることができます。全体を通して読めば数論の基礎をさらっとなぞることができるように思います。目次は訳者のホームページで読むことができます。

Three Pearls in Number Theory, Contents

タイトルはこんなですが日本語で書かれていますのでご安心を。

最後に

私はこの本が好きです。自信を持って数学に興味がある方に勧められると思っています。予備知識の少なさも理由の一つではありますが、私が気に入っている点は「ワクワクする」という点です。このワクワクは2つのことに起因しています。

1つ。この本は読者に語り掛けるように書かれているのです。伝統的な数学書の「である」調ではありません。というのは上で挙げた訳者のホームページの訳者序文を見てもらえれば伝わると思います。

2つ。定理の解説のみならず、その定理がどのような経緯で証明されたか、ということについても取り扱っているからです。ヒルベルトはウェアリングの問題の証明において、当初25重積分を用いたそうです。はい。意味が分かりませんね。

 

いかがでしょうか。「何か楽しそう!」と思っていただければ幸いです。